世界の備忘録

歴史上の忘れたくない事件などをまとめていくブログです。

備忘録その21 デマによる悲劇~ロマの人々~

こんなニュースを見つけました。
 
少数民族ロマに対する暴行続発、SNSのデマが引き金に
 
フランスでロマの人々が子供を誘拐したというデマが広まり、それによってロマの二人が暴行されたという事件です。
 
これ…なんだかキェルツェポグロムを思い出しますが、この記事によると、偏見によってこういったデマが流れるのは中世からあったことだそうです。
 
 
情報が膨大なので全部は無理かもですが、ちょっとロマについて調べたことをまとめたいと思います。
 
ロマとは?
ジプシーと呼ばれる移動型民族のうち、主に北インドのロマニ系を祖とする人々のことで、現在は東欧中欧、ロシアなどヨーロッパ全土に移住しています。
移動型と書きましたが、定住している人々もたくさんいるそうです。
ジプシーとの違いはジプシーはロマ二系以外の人々も含む、ということのようです。

f:id:blueblue228:20190503145913p:plain

ハフィントンポストからお借りした、ロマの子供たちの写真
ロマやジプシーという名前は何度も聞いていましたが、なぜ、流浪の民は差別を受けるのでしょうか。
その理由としては大きく四つが挙げられます。
  • ①白人系ではない。
  • ②言語を含む文化が違う
  • ③その地域に同化しない
  • ④キリスト教徒ではない
 
 
迫害のステレオタイプという感じがしますね。
理由を一文字にまとめるなら「違」です。
マジョリティと違うから、差別の対象になるということです。
 
これ以外にも例えば貧しさから窃盗などの犯罪に手を染めていたりという経験に基づくイメージから差別の心が生まれているということもあるのですが…
 
実際そういった犯罪の被害に遭った人が犯人を憎むのはある程度仕方ないことだと思います。
でも、実際そんな被害を受けていないマジョリティの人が冒頭で紹介したようなデマを流して、拡散した場合どんなことになるのかは歴史が見せてくれていると思います。
 
マジョリティだったら、マイノリティの絶滅を求めてもいいのでしょうか。
いたずら半分にしても、そんなデマを流して罪のないロマの子供たちまで巻き込まれてもいいのでしょうか。
マイノリティに生まれたこと自体が罪になるのでしょうか。
 
 
私たちにとってロマやユダヤ人の差別は正直身近ではありませんが、差別自体はすぐ近くにあります。
 
例えば…
私も自分の言動を振り返ると、ニュースの映像などを見て「○○人は列に並ばない」と思ってしまったり、「メキシコ系の移民は~」などと話すクラスメイトの話を笑って聞いていたりしたこともあります。
笑い合うことは自由ですが、誰かが傷つかないか考え、エスカレートしないよう、物事を一方向から見て人々を一括りにしないよう、日々反省したいな、と思いました。