世界の備忘録

歴史上の忘れたくない事件などをまとめていくブログです。

備忘録その70 テッド・バンディの連続殺人事件

70番目の備忘録です。なかなか時間が取れず更新のスピードは落ちる一方ですが…
細々と続けたいと思います。
 
 
さて、今日は…
海外のニュースや殺人事件などを扱うバラエティ番組などで扱われているのを見たことがあった、テッド・バンディの殺人事件についてです。
 
 
彼はアメリカの犯罪史に残る連続殺人犯と言われています。
自白しただけでも30名の被害者がいます。実際はそれ以上と言われています。
 
しかも、30名の殺害は1974年から78年の間に行われており、途中刑務所にいながらも脱獄して殺人事件を起こすという「殺人鬼」っぷりです。
どんなサイコパスなのかと思いきや―確かにサイコパスではありますが―若くて容姿端麗で頭脳明晰な法学部生でした。
それを武器に女性に近付き(こっそり侵入して…などの手口もありましたが)、暴行ののちに残酷な方法で殺害する、という手口でした。
 
 
中には暴行や誘拐はされるものの逃げ出すなどして、生き残る女性もいたのですが、その女性たちの証言で似顔絵が作られたり、車両の情報などから警察から目をつけられるようになります。
 
後でわかることですが、ワシントン州やオレゴン、ユタ、コロラドなどで既に連続殺人を行っていたテッドは、ソルトレイクシティの近くで75年に逮捕されます。
彼は誘拐されたのち解放された女性の証言で一つの誘拐事件の犯人となり、コロラド州に移されたのち裁判にかけられます。
この頃から警察は彼を連続殺人犯としてマークしていましたがなかなか証拠が出て来ない。
 
テッドはテッドで口では否定していながらも、弁護士や裁判長などに歯向かうなど心証を悪くするなど一見矛盾に見える言動で目をつけられていました。
裁判中なのに逃走したり(すぐ戻る)、大がかりな脱獄もします。
 
そして脱獄して向かったのはフロリダ。
現代だったらきっと情報が回ってすぐ捕まっていますが70年代ということもあってバレることなく飛行機にも乗っています。
 
そのフロリダでフロリダ州立大学の女子寮に忍び込み、三人を殺害、複数の女学生に怪我を負わせます。
 
 
お金が底を尽きてきて、車を盗んで逃げていたところを警察につかまります。
裁判はフロリダで行われることになり、彼は国選弁護人がいるにも関わらずほとんど自分で弁護をします。
 
彼は検察側との司法取引に応じることもできる状態でした。
つまり、一部の罪を認めることで懲役刑となり、死刑を免れることができた。また、そうした時間のかかる手続きをしていく中で証拠がなくなったり、証人が亡くなるということもありえるため、そこから無罪に向かうこともできるというものでした。
 
しかし、テッドはこれを最終的には受けませんでした。
なぜなら、有罪を認めることが苦痛だったから。
とにかく有罪という目で見られるのが嫌だったのです。
(ならなぜ殺したんだと思いますが、そこがサイコパスたるゆえんなのでしょうか)
 
彼は一つの事件の有罪も絶対に認めない姿勢を貫きます。
 
結局被害女性の体に残った歯型や、目撃情報などによりフロリダだけの五件の殺人と住居侵入などで有罪となり、電気椅子での死刑が確定しました。
 
 
裁判中の結婚など色々と騒がせたテッドでしたが、42歳で死刑に処されます。
確定死刑囚となってからは、自分の犯罪というよりは第三者の犯罪を分析するかのように事件について語ることもあったようで、それをドキュメンタリーにしたものも最近出てますね。
 
 
潔白を主張しながらも脱獄してまで殺人事件を起こすという…私には病的な殺人犯だとしか表現できませんが、どうなんでしょう。
 
彼が大人しくコロラドで誘拐事件の罪を認めていたらそれこそ数年後に出所してより多くの犠牲があったかもしれないと思うとぞっとします。
その後のフロリダの犯行も女子大生のことを思うと心が痛いですが…
 
写真や映像も残っていますが、裁判中に自分を弁護する姿などに魅力があったのか、当時は女性ファンまでいたくらいだったそうなので、その魅力を他のところに使えば…と思ってしまいますね。
 
週末にネットフリックスで 『Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile』(原題)を観ました。
テッド・バンディをシアトルにいた彼の彼女であるエリザベス・クレプファーという女性の視点から描いています。
日本ではまだ配信されていないようですが、話題作のようなのできっともうすぐかな??と思います。
 
 
 
一人の男性を信じようとしていた女性の物語としても面白いですし(どこまで本当かはわかりませんが)、ドキュメンタリーっぽい淡々とした部分もあって(監督がテッド・バンディに関するドキュメンタリーも撮っている人です)おすすめです。