突然ですが、バナナはお好きですか?
私はあまり好きではありません。果物は果汁が多いほうが好きなので…
最近はもっぱら桃やプラムを買っています。
まぁ私の好みはどうでもいいですが、今日はその名も「バナナ労働者虐殺事件」について書きたいと思います。
虐殺事件が起きたのは南米・コロンビアですが、南米の各地で労働者の搾取が行われていました(今もきっとあるとは思いますが…)
始まりは1870年。一人のアメリカ人が航海中にジャマイカからバナナを持って来たことから始まります。
彼は実業家と手を組んでボストン・フルーツ・カンパニーを立ち上げます。
他の実業家も安価で売れる果物としてバナナに目をつけ、鉄道建設をして南米の労働者を低い賃金で雇い、アメリカでバナナを安く売ることを考えました。
この二つの事業が1899年に合併し、ユナイテッド・フルーツが設立されます。
どんどん事業を拡げていきますが、1928年、コロンビアでストライキが起きます。
労働者の要求は「契約書の作成」でした。
これがないと盾にするものがなくなりますもんね。いくらでも働かされてしまうことになるのです。
これをコロンビア軍が「共産主義革命を防ぐため」という口実のもと銃撃し、約50人~2000人(諸説あります)が犠牲になりました。
たかがバナナ、されどバナナです。
もうこの頃には各国政府や軍が介入し、生産・販売が続けられるようになります。
それくらい大きな富を生み出す事業だったからです。
搾取をやめると国としてもアメリカとの関係が危うくなるので、やめることはできなかったということですね。
アメリカとしても中南米からの輸入に頼っていた大きな事業なので、労働者の革命につながってしまうと困るのです。
ユナイテッド・フルーツは紆余曲折あった後、1984年にチキータ・ブランドと名前を変え、現在もバナナ業界で大きなシェアを占めているブランドです。
現在はどうなんでしょう。
さすがに契約書はあるでしょうか。
でも、最低限の約束も結ばせてもらえない人はまだ世界中にいると思います。
小国の宿命と言われるとそうかもしれませんが、基本の生活は守られていてほしいですね。バナナに限らず。
最近日本でも技能実習生の待遇がニュースになっていたのもあって、労働に注目してみました。
こういうことを知っておくと、スーパーで品物を見る目がちょっと変わる気がします。
参考にしたもの
wikipedia(英語版)Banana Massacre
Banana Massacre(アニメーション)