世界の備忘録

歴史上の忘れたくない事件などをまとめていくブログです。

備忘録その60 6人に1人って多いなぁ

 
キンドルストアで本を選ぶとき、もう少しサンプル読めるようにしてもらえるとありがたいなぁと思う今日この頃です…
 
 
さて、今日は歴史というよりは今現在の問題であり、これからも深まっていくであろうことについて、書いてみたいと思います。
 
それは「子供の貧困」です。
以前『フロリダ・プロジェクト』という映画を観て少し触れた問題ですが…
もう少し日本の制度に照らし合わせて考えてみたいと思います。
 
 
今回の記事に出てくる例や数字は『子どもと貧困』(朝日新聞取材班著)を参考にしています。
 
 
タイトルにもある通り、6人に1人の子供が貧困(2017年の時点で)ということなのですが、具体的なこの数字を見て、単純に「多い」、というのが最初の感想でした。
 
30人のクラスで5人ということですもんね。多いです。
もちろん子供は会社に勤めて収入を得るということはできないので、親の賃金が十分ではない場合、子供もその困難に陥る…というようになります。
 
 
そもそも、貧困ってどこからどこまでを言うのか、というのが曖昧なのですが、「絶対的貧困」と呼ばれる一切の仕事がなく、食うや食わずやの毎日を送る人々だけでなく、生活保護と自立の狭間にいるような家庭がとても多いとのことです。
 
 
働けると判断されると、生活保護はもらえないことが多い。車を持っていても、小さな畑を持っていても、なかなかもらえない。
でも働いたからといって充分な収入が得られるわけでもない。
 
かといって生活保護を受けると活動の幅が狭まり、子供のためにより良い環境を求めるというようなことが難しくなる…
 
 
また、生活保護を受けようとすると周りに「仕事増やせば?」などと言われたり、「ダメな親」と責められたりする恐怖から現状をなかなか人に言い出せない人も多いようです。
 
一旦0にして保護を受け20にするか、自由はあるけど10だけか、なぜその二択なんでしょう。
自由があって20にすることができる賃金体制ができなければ、こういった人は増え続けると思います。
 
 
一部のニュースなどを見ていると、日本はまだまだ成長を続けていて、みんながどんどん豊かになっていて、みんながオリンピックや万博を待ち望んでいて、みんなが夢を見ているかのように錯覚することがあります。
 
でも、そのオリンピックや万博をこれから迎える子供たちがこんなに困っている。
夢見るなんて三の次で、今日のお風呂、明日の着る物がない。
それどころか、小さい子は自分が困っていることも気付かずに、空腹を耐える母の隣で白ご飯に塩をふって食べていると思うと、なんでもう少し回るべきところにお金が回らないんだろう。
時間をかけるべき議論が全然進んでいないんだろう、と、憤りを感じます。
 
2014年に「子供の貧困対策の推進に関する法律」が施行されていますが、ざっと目を通してもあまり具体的ではないという印象を受けました。もちろんその家庭によって対応を変えていかなければならないので法律で一括で決められるものでもないとは思うのですが…
法律で決めたところで、助けを求めるという第一ハードルをなかなか越えられず、手遅れになってしまう人もいるので…。本当に難しい問題です。
 
 
微力ですが様々な分野からこの現状を訴え、困っている親子を支えている団体や弁護士、医師、教師、ソーシャルワーカー、ジャーナリストなどの方々への支援や寄付などはしていきたいな、と思いました。
 
 
過去に起きたことをメインに書いているブログですが、現在進行形の問題についてもちゃんと知る必要があると思い、記事にしました。
 
個人的にこの『子どもと貧困』という本は、母親や子供から話を聞くのが難しかっただろうにしっかり取材されていて、データもちゃんと提示されているので、一読の価値ありだと思います。
 

 

【増補版】子どもと貧困 (朝日文庫)

【増補版】子どもと貧困 (朝日文庫)