やること色々あるのにだらけきった土曜日でした。
このままじゃだめだと一日の締め括りに映画『サウルの息子』を観たのですが...
ドキドキして全然締め括れそうにありません。
アカデミー賞外国語映画賞を受賞している2015年のハンガリー映画で、日本でも上映されていたようですが私は初めてでした。タイトルを聞いたことがあってみてみたかった作品です。
ざっくりしたあらすじは
ナチス政権下の収容所で死体処理などを担当しているゾンダーコマンド•サウルはガス室での死者の中から息子を見つけます。
この息子をユダヤの方法で弔おうと奔走する...というお話。
色んな評論や感想ブログがありますが。
まず私が感じたのは恐怖。
悪への恐怖を感じた『シンドラーのリスト』や幸せや家族を失うことの恐怖を感じた『ライフイズビューティフル』とは違った恐怖です。
演出が独特で視界が限定的なのがとても怖かったです。泣き声とか銃声が際立っていたし、ぼんやりした主人公の周りとか、リアルとは程遠い気がしても実は一番リアルな感じ…?
うまく説明できませんがそのうち匂いでもしてきそうって思うような生々しさでした。そこまで残酷な描写をくっきり見せていないのに不思議です。
あとは主人公が自分の目的のために邁進しすぎてハラハラするという恐怖を感じました。
本当に息子がいたのかなど、気になるところはありましたがそれよりも、ゾンダーコマンドがこっそりカメラで記録したり、火葬ではなく復活の可能性がある土葬にこだわるというところに絶望の中でも次に繋ごうとする希望のようなものを感じました。
だからラストでも不思議と悲しむよりはちょっと胸をなでおろすというか、主人公と一緒にふっと力が抜けた感じがありました。
にしても新鮮な演出?アングル?でした。
怖いから周りを見せてくれ~って思いましたがこれが狙いなんでしょうね。
枯渇していると思われがちな(私もちょっと思ってる)ホロコースト映画ですがこれは本当に一度は観るべきでしたね。観れてよかった。