今日は戦争から離れて…日本で起きた殺人事件についてです。
2002年に北九州で起きた監禁殺人事件で、七人が犠牲になりました。
2002年ということは私もリアルタイムで知っていてもおかしくないのですが、この事件について知ったのは五年くらい前でした。
私が真剣に見ていなかったか、もしくは忘れているだけかもしれないのですが、実際に当時あまりの凄惨さのために報道が規制されていたようなのです。
(検索すればワイドショーのキャプチャーなどは出てきますが…)
これは殺害方法の残酷さということもありますが、それ以上に主犯である松永太死刑囚の巧妙な手口(?)や洗脳させて被害者に殺害や死体の処理をさせるなどの異様で複雑な事件だったため報道自粛ということだったそうです。
(それにしてもテレビで流れていなかっただけでこんなに知る機会って減ってしまうんですね。どれだけテレビに頼っていたか、実感できます…)
この事件で監禁されていたのは8人。そのうちの一人である当時17歳の女性が監禁先から逃げ出したことによって事件が発覚します。その時には既に7人が亡くなっていました。
事件の犯人と被害者の人物関係図を見るとこの通りです。
男Xが松永、女Yが緒方純子で、少女Aが脱出しています。
それ以外は全員拷問の末に亡くなっています。
松永太は自分の手を汚すことなく、松永の詐欺行為を手伝ったということを弱みとして握り、「通電」という罰を与えたり、お互い監視させたり不信感を煽ったりすることでそれぞれに殺害させたのです。
10歳の女の子にも手を下させたり、遺体をバラバラにするのも被害者でした。
被害者が家族単位なので、自分の身内の遺体処理などをしているということなのです。ただでさえぞっとする事件なのに更なる鳥肌。
被害者は松永の知人男性とその娘(のちに脱出する)、また、松永太の内縁の妻である緒方純子の家族でした。
松永は緒方純子の母や妹とも関係を持つなどして文字通りこの家族をぐちゃぐちゃにし、不信感を募らせるようにしむけ、こちらも「通電」などの虐待で恐怖と痛みによる支配をします。
脱出に成功した少女の証言により、殺人は徐々に明らかになっていきますが、驚くことに証拠が全然出てきません。
少女が脱出できていなかったら、それこそ二家族が消えた完全犯罪になっていたんでしょうかね。
結局洗脳状態から解放された緒方純子の自供により、全容が明らかになり、松永は死刑、緒方は無期懲役の刑を言い渡されます。
という事件でした…
この事件について調べていて、人の心の弱さについて考えこんでしまいました。
マインドコントロールされた被害者の方々もそうですし、犯人に対してもなんだか弱いな…というか本当の幸せとか愛情とか、一切触れていないかねじ曲がった状態で受け止めてたんだなという気がします。
現に基本的には虚勢を張っていたのに、借金の取り立てなどに遭うと縮こまってしまっていたこともあるそうです。そういう弱さを持った人が饒舌さなどの一種の才能を持ち、さらに支配欲などを募らせるとこういうことになるんですかね…
心理学のことに詳しくはないのですが、偽の姿で自分を守り続けた究極・最悪の姿なんだなと感じました。
それに他人事ではなく、誰だって理由もなく惹かれる人がいたり、口車に乗せられることってあると思うんです。その延長線上にこんな事件があると思うと、人をしっかり見極める力もつけないとなぁという気がします。
なんでも疑ってかかるのも悲しいですけどね。
17年が経った事件です。こういった事件も忘れ去られがちですが、かといって消えるわけじゃないので、しっかり覚えておきたいなと思います。
参考にしたもの
2019年4月4日 デイリー新潮より