世界の備忘録

歴史上の忘れたくない事件などをまとめていくブログです。

備忘録その4 ルクソール事件

ニュースや新聞、ツイッターなどを見ながら世の中難しい問題だらけだなと実感している毎日です…

 

今日は1997年11月17日、エジプトの観光地ルクソールで起きた虐殺事件についてです。

子供のころからエジプトに行ってみたいと思っているのですが周りから

「エジプトは観光客が犠牲になった事件のイメージが強くて心配」という話もよく聞いていました。

 

私は小学生の頃なのでほとんど記憶はありませんが、日本の方も犠牲になっていて、当時は大きなニュースになっていただろうなと思います。

 

概要としては、有名な観光地ルクソールでイスラム原理主義過激派「イスラム集団」が観光客を襲い、62名が死亡、80人以上が負傷する、という事件でした。

犯人は銃撃戦の末全員射殺されています。

 

イスラム原理主義集団が観光客を狙った理由は?

観光を重要な財源としているエジプトで観光客を狙った事件を起こし、観光客を減らすことにより経済に打撃を与え政府への不満をあおり、結果的に転覆させ、イスラム原理主義政権を樹立しようとすることが目的。

 

ということで、このルクソール事件は起こる前から外国人を狙った事件は多発していたようです。同じ年の9月には観光バスを狙った事件で多くのドイツ人観光客を含む人々が亡くなる事件も起きていました。

この事件の犯人に死刑判決が出ており、この判決への報復ということでルクソール事件が起きます。

 

(テロ事件犯人への死刑判決に対する報復というのが全く論理がちぐはぐというか、腹立たしいですが正しいと思ってテロ事件を起こしてるとそういう論理になるんですよね…)

 

イスラム原理主義ってそもそも何?

イスラム法「シャリーア」に則った社会や統治を理想とする考え方のことで、こういった考えを持って行動している集団には、ニュースなどでよく聞くタリバーン(パキスタン・アフガニスタン)やヒズボラ(レバノンのシーア派)、ルクソール事件を起こしたイスラム集団(エジプト)など活動している国や理想として掲げている思想が違う集団がいくつもあります。

 

こういった集団からしてみれば穏健派は許せない存在なわけで、その穏健派を苦しめ、結果的に倒すために一番良い方法を考えた結果、エジプトでは観光客を削減することだった、ということなんですね

 

一方、今回この事件について調べながら、少し気になった点が…

犠牲者のうち、半数以上はスイスの人だったのですがスイス側はこの事件についての調査をまだ解決していないこともあるにも関わらず事件から約三年後の2000年に打ち切ります。

その解決していないことというのが犯人6人のうち一人の身元や、被害に遭った人の遺品が戻ってきていないことだそうです。

打ち切りの理由としてエジプト側がスイスがこの事件を受けてエジプトへの渡航制限を出して以来調査に協力的ではないことを挙げています。これもちょっと呆れた話な気もしますが…

 

テロは減少傾向にあるとは言うものの、制裁を加えれば報復したり、穏健派が実験を握ればクーデターを企てる。そしてそこにはいつも市民や何も知らない観光客の犠牲が伴う。

 

一生答えは出ない気がしますが、この連鎖、どうにか止められないんでしょうかね…

 

参考

https://www.swissinfo.ch/eng/switzerland-closes-inquiry-into-luxor-massacre/1436572