世界の備忘録

歴史上の忘れたくない事件などをまとめていくブログです。

備忘録その36 自国の混乱から逃れて①~ボートピープル~

福岡で買ってきたブラックサンダーが底を尽きつつあります。悲しい。
 
 
さて、今日は特定の国の事件ではなく、戦争や経済的な貧窮、圧政から逃れるため、漁船などに乗って避難するボートピープルについてです。
 
 
日本に来たボートピープルといえば、朝鮮戦争中やベトナム戦争中の避難民が知られていますかね。
他にもwikipediaで紹介されているだけでも香港やキューバなどから航路で国を脱出した人々がいます。
最近でもハイチからの避難民、リビアからの避難民など船で国を脱出している人は大勢おり、「boat people」と打つだけでも色んな国からのボートピープルがいることがわかります。
 
 
しかし、このボートピープルは文字通り命がけの脱出です。
運よく他の国の船に助けられたり、近隣の国に着いて難民として受け入れてもらえればよいのですが、すぐに捕まって国に戻されたり、海賊に遭って金品を全て盗られたり、中には殺害される人もいます。
 
また、航路の操舵が難しかったり、人が乗りすぎたりして事故が起きることもあります。
命からがら国から逃げても、結局悲劇的な最後を迎える人もいるということです。
 
 
また、たどり着いた国で密航者として捕まったり、現地の人からの冷遇が待っていたりとかなり過酷な状況に置かれます。
 
それでも脱出する理由は「絶望」(飯笹(2017)にて森・ルバイ(2014)での説を紹介)だそうです。
その絶望のせいで、正式な難民手続きなどを待っていられず、密航する…ということなんですよね。
 
飯笹(2017)ではこの「絶望」の原因となる紛争や経済破綻には、先進国が関わっていることも指摘しています。
 
政治家や国同士の紛争に巻き込まれて、究極の選択を迫られる市民…悔しいけどもどんな争い事を調べてもこの構図ですよね。
 
今はベトナム戦争の頃より、こういった密航による入国には厳しい態度をとる国も多く、厳しくなくても門戸は狭くなっている国がほとんどだと思います。
私もその後のことを何も考えずに「受け入れた方がいいよ」とは言えませんが、それでもある程度の支援ができればいいなと思います。
一番いいのはその国で生まれた人々が平和に自分の親しんだ場所で暮らすことなんですけどね…
 
 
 参考にしたもの
飯笹佐代子(2017), 密航という選択―ボートピープルと境界, 『オーストラリア研究 30』, オーストラリア学会
'Tragic, terrible':Scores die as migrant boat sinks off tunisia
The Tragedy of the Boat People