世界の備忘録

歴史上の忘れたくない事件などをまとめていくブログです。

備忘録その69 変化と保存の難しさ~パプアニューギニアでの魔女狩り~

すいてる時間にスーパーに行くと、私が豚肉を手に取るだけで売り場のおばちゃんたちが「おいしそうなの選んだわね、えらいえらい」みたいな感じでほめてくれるので気分がよくなります。
試食も「もっと食べなさい」っていっぱいくれるので買い物が楽しいです笑。
 
 
さて今日は韓国は「伏日」といって夏に三回ある暑気払いにサムゲタンを食べる日で、うちでも前もって買っておいたサムゲタンを食べる予定です。
高麗人参やなつめなどを入れたり、鶏にもち米詰めたりと面倒なので、外食するかレトルトパウチのサムゲタンが人気です。レトルトでも骨付きで一羽分入ってて、すごいなぁといつも思います。
 
 
さて、サムゲタンの話はこれくらいにして…
 
 
私がずっと興味がある国の一つにパプアニューギニアがあります。
言語学を勉強していた時にどんな授業でも一度くらいは話題に上るのがこのパプアニューギニアなのですが、それは800以上の部族があり、言語もその部族ごとに違うと言われているのです(野瀬2014参考)。
 
言語が違えば考え方も文化も少しずつ違うので、実際どんなものなのか見てみたいというのもありますし、800の部族がそれを現代まで維持しているというのがすごくて、これからもできるだけそれが保存される方向でいってほしいなと思っていたのです。
 
 
しかし、文化が変わってしまうような外部との接触もなかったということは、現代の倫理観や科学の基礎的な知識では到底理解できないような風習がそのまま残っているということもあるわけで…
 
 
全ての部族ではありませんが、例えば「エンガ」という地区では2019年になった現在でも、男性の死亡を一人の女性のせいにする、「魔女狩り」が行われているそうです。
 
 
魔女とされた女性は特に死亡した男性の家族というわけでもなく、もちろん殺していないのですが、村中の人々に残虐な行為をされ、最後は火あぶりにされて殺されてしまいます。
 
この魔女狩りには、人の死や不幸を必ず人為的なものと考え、自然でやむを得ないこともあるという考えがないという背景があるようです。
 
これに対しては国際的にも警鐘を鳴らしているようなのですが、まだまだ魔女狩りと呼ばれる殺人は続いているようです。
 
 
こういった残虐な殺人事件は私も非難されるべきだと思いますし、この件に関しては早く解決してほしいと願っています。
 
が…こういった非科学的な知識による悲劇っていわゆる現代化に向かう中でどの国も通ってきた道と言われればそうでもあり…それを先進国や大国が外からやいやい言って自分たちの物差しを当てて無理矢理変えてしまうと、それはそれで副作用がありそうな気もするんです。
 
魔術を信じている別々の部族をいっぺんに変えることも難しいですし、そうして部族同士科学的な知識に差が出るとパプアニューギニアのバランスが崩れるんじゃないかとか…そうすると言語も変わってくるかもしれないし…
 
慎重な助言?支援?と長期的に内側からの変化を促すことが必要なんじゃないかな、と思うんですが、これもやはり言うが易しですね…
 
 
参考にしたもの
野瀬昌彦(2014)、800以上の言語が話されるパプアニューギニア―変わりゆくアメレの村で―『Field Plus』
AFP通信『20歳女性「火あぶり処刑」で男女二人を逮捕 パプアニューギニア』2013年2月19日
AFP通信『環境の変化を黒魔術のせいに、多発する現代の魔女狩り パプアニューギニア』2019年2月2日